◆微小材料破壊問題(Micro-materials fracture problem)

 LSIやMEMSなどの微細デバイスには,ミクロン~サブミクロンスケールの微小要素とそれらの界面が無数に含まれます.このような構造体の信頼性を保証する基礎データとして,特に破壊の起点になりやすい界面端部からの剥離破壊荷重を様々な環境下において比較・評価することは重要です.本研究ではこれを実現する新しい実験手法を考案し,その測定に漕ぎ着けました.ここでは異材界面を含む超微小カンチレバーに曲げ荷重を与え,Si/Cu界面における剥離破壊荷重を評価した例を示します.剥離発生時の応力場は有限要素法(FEM)により計算しました.界面端近傍の局所応力で表現した見かけの剥離発生強度は,いずれの環境下においても大きなばらつきを示しました.これは,Si/Cu界面端における応力特異性の弱さとCu層(多結晶体)の不均質異方性に由来するものと考えられます.

※詳細はこちらを参照ください(for more detail, see):
Y. Takahashi, S. Arai, Y. Yamamoto, K. Higuchi, H. Kondo, Y. Kitagawa, S. Muto, N. Tanaka, “Evaluation of interfacial fracture strength in micro-scale components combined with high-voltage environmental electron microscopy”, Experimental Mechanics, Vol. 55, 2015, pp. 1047-1056 (DOI: 10.1007/s11340-015-0008-2).