研究内容

(1)鋼線の引抜きモデルの欠陥挙動の解析

(2)電解液中のLi⁺拡散・分子配位の現象および電気伝導評価

(3)シリコン系硬脆材料(SiC)の塑性変形能・強度評価

(4)階層的ねじれ構造(セルロース)における力学伝達の解明

(5)固体材料のマルチスケールモデリングおよび解析:分子動力学法とマクロ粒子法(ペリダイナミクス)の連携

(6)ナノトライボロジーと塑性変形:ナノサイズテクスチャの摩擦への影響

(7)固体材料の動力学的挙動に関するコンピュータシミュレーションの方法論

(8)力学機能に基づく構造普遍性の探求:分子からテンセグリティ概念への展開

(4)階層的ねじれ構造(セルロース)における力学伝達の解明

近年の石油ベースのものづくりからバイオベースのものづくりへの移行が期待されている中、新材料としてセルロースが注目されている。
セルロースは植物中で水と二酸化炭素から光合成によって生じる高分子であり、細胞壁内ではCMF(セルロースミクロフィブリル)と呼ばれる基本単位で存在している。CMFは、セルロースの単量体が複数個直鎖上に重合し、それらが複数本集まることにより構成されている。このCMFのようなナノスケールのセルロースを総称してCNF(セルロースナノファイバー)と呼ぶ。CMFは繊維状であることから、プラスチック等の強化複合繊維への適用が期待される。強化複合繊維は外力に強いられることが多く、引張、曲げ、ねじりなどの作用にさらされることが想定される。

本研究室では、分子動力学法を用いることにより、各作用に対するフィブリル内の原子・分子の挙動の解明や強度評価をシミュレーションしている。